2020年、令和二年 江戸前魚事情&状況
9月に入り、新型コロナウィルスの影響もあり出張料理の依頼を頂いています。
当然、豊洲市場の魚河岸、八百屋にも出向く必要があり千葉の柏からあさイチ通っているのですが、欲しい江戸前の穴子、ギンポウ、鱚などがとても入荷しずらい状況です。
その理由とは、東京湾近辺の海水温が異常に上昇していて鱸や穴子が死んでしまっているとの事。
以前から江戸前の魚は小舟で漁をしている漁師さんが少なくなってきているので全体的に少ないのですが(昭和30年ごろまではかなり豊かな漁場で魚種もかなり多くあったようですが)、台風のニュースなどでご存じの通り、20年前の海水温とはかなり違うようです。これはあくまで僕の憶測ですが、このままいくと、15年前くらいに起きた四万十川の鮎の大量死と同じく、水面が銀色になるくらい魚が死滅してしまうのではないか?ととても不安です。
それでは、料理人には何ができるのか?と考えると、先ず自然保護に少しでも関与すること、エアコンなど熱機器を最大限使用しない事、そして現在の危機的状況を一人でも多く知って頂くことだと、これが使命だと信じております。エアコンを止めて熱中症になったらどうするんだ?など叱責を頂きますが、水分をしっかりこまめに摂ってのぼせそうになったら、水を頭から浴びたりしていれば、ほぼ熱中症にはならないのでは、と、思います。よく考えてみれば、気温の上昇もありますが、エアコン、車の排気ガス、アスファルト公害で気温が上昇しているのです。現に自宅近くのアスファルトが少ない、木々が茂っている辺りにくるとかなり気温差があるのを体感できます。皆さんもエアコンの室外機の前や車の脇に立ってみたことがあると思いますが、のぼせるほど暑く、息苦しく酸欠になりそうなほどだということは旧知の如くではないでしょうか?
今のことだけしか考えず、一過性の涼しさや過ごしやすさだけ求めていれば、毎年どんどん気温が上昇して熱中症もどんどん増えて、海水温もぐんぐん上昇し、台風がバンバンきて洪水や風害、農作物の収穫減少、海水温の上昇、そして魚の不漁になってしまいます。
いずれにしても、食材によって生業が出来、生活させてもらっている料理人は少なからずこのことをよく考え、改め、改善しなければならないと思います。自然や地球になり替わりガサツに言えば「いい加減にしやがれ」といったところでしょうか。
to be continue