日本にスルメイカがいない!
今から6年前、2013年12月初旬築地にいつも通り朝買い付けに行くと毎年恒例の塩辛作りに必須な良質で新鮮なスルメイカが無かった。
いつもなら、黄色の柚子が良い香りのする3月ごろまでパツンパツンの色の濃いスルメが並んいたのに。
それ以降、スルメイカの旬が短くなった。
これは、明らかに生態系が崩れていて水産資源が枯渇している証拠です。
今更ではないですが、、、原因として水産資源の乱獲と温暖化も含めた人的被害によるもので、人以外に原因はありません。
この問題はスルメイカだけの事ではありませんが、スルメイカがいなければそれを捕食する生き物が餓死し繁殖出来なくなります。
ですが、現にどこの漁港に行っても「魚がホントに少なくなった」とぼやいています。
昔の(昭和30年代くらいまでの)東京湾の魚介類は本当に豊富でとても美味しいものだったそうです。それをぶち壊してきたのが、現代昭和の世代ですし、こと料理人(僕も含め)が食材を大々的に使い大切にもせず、使えるものでも廃棄してきたツケが回ってきた現状と言って過言ではありません。
なので、大量生産、大量消費を最大限に抑え、先ず特に飲食店の方、スーパーのバイヤーの方、仲卸の方は、稚貝や稚魚、産卵前の魚介類の購入を控えるべきだと考えます。それが直ぐに実行でき、水産資源を守り且つ次世代に受け継ぐ効果的な手段です。(水産資源を真剣に考えている漁協も沢山ありますが)
僕は、市場を見ていてこんな小さい命を奪いまくっていたら漁場が荒れるだけなのに「バカだなぁと」思うことを毎日のように目の当たりにしている。
そして悔しい。要は購入する消費者、こと料理人が模範を示し、且つ訴えていかなければいけないと、それが僕らに課せられた喫緊な使命だと思います。
買う人がいなければ、獲る必要がなくなるのですから。
経済や売り上げばかりではなく、幼い子供、これから生まれてくる子達のためにも、これからの事をもっと真剣に考えて行きたい。
実のある未来のために。