天ぷらの役割
天ぷらは、蒸し物と言われていたりもします。また、尊敬する早乙女(是山居)さんは脱水ともおっしゃっています。
魚を天ぷらにすると美味しくなるのは、一つにはこの脱水によるうま味の凝縮だと捉えています。
また、しっかり、適度に揚げた天ぷらは骨もサクサクと美味しく 食べられます。(これは、魚の骨のコラーゲンや石灰の性質や量に影響されますが)
なので、脂の乗りすぎた魚を揚げても脂だらけになって美味しくはありません。
先日、とある天ぷら屋に行きギトギトに脂の乗った新鮮な鯵の天ぷらをレア状態で頂きましたが、僕には二度と食べたくない料理となりました。(ちなみに、お代は2万7千円、愚痴です!)
揚げ油に関しましては、ご家庭ではオリーブオイルが良いかと思います。これは、プロは覚悟しているから良いのですが、油を熱すると「アクロレイン」が発生しやすくなるからです。(アクロレインはリノレン酸の多い油ほど発生量が多くなり、劣化した油で長時間揚げ物などをすると「油酔い」という症状がでる、いわゆる毒性がある)
また、揚げた時の色を気にする方が多いのですが、慣れるまでは色より揚がり具合、旨さを意識してあげた方が良いと思います。
結論、揚げたてのカラッとした天ぷらを召上りたいときは、良い油で揚げている天ぷら屋に行かれることに限るのではないでしょうか。
くれぐれも、素材を天ぷらにする意味の理解していない天ぷら屋だけには行かない様にご注意を!